2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いを徹底解説
ファクタリングについて調べていると、必ず出てくる「2者間」と「3者間」という言葉。最初に迷うのが、どちらを選ぶべきかという点ですよね。この記事では、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違いを10項目以上にわたって比較し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、選び方の判断基準まで解説していきます。
【早見表】2者間と3者間の総合比較
まずは全体像を把握しましょう。以下の表で、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの主な違いを一覧できます。
| 比較項目 | 2者間ファクタリング | 3者間ファクタリング |
|---|---|---|
| 契約当事者 | 利用企業・ファクタリング会社 | 利用企業・ファクタリング会社・売掛先 |
| 売掛先への通知 | 不要 | 必要(承諾が必要な場合も) |
| 手数料相場 | 8〜18%程度 | 2〜9%程度 |
| 入金スピード | 最短即日〜3営業日 | 3〜7営業日程度 |
| 審査の厳しさ | 比較的緩やか | やや厳しい傾向 |
| プライバシー | 高い(売掛先に知られない) | 低い(売掛先に通知される) |
| 償還請求権 | ノンリコースが原則(要確認) | ノンリコースが原則(要確認) |
| 債権譲渡登記 | 必要な場合が多い | 不要な場合が多い |
| 利用可能金額 | 少額(10万円〜)から対応 | 少額〜大口まで対応 |
| 継続利用コスト | 高い(手数料累積に注意) | 低い(長期利用に適する) |
| 向いているケース | 急ぎ・プライバシー重視 | コスト重視・継続利用 |
この表を参考にしながら、以下で各項目の詳細を確認していきましょう。
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングとは?
基本的な定義と仕組み
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングは、契約当事者の数によって分類されるファクタリングの形態です。
2者間ファクタリング
- 契約当事者:利用企業とファクタリング会社の2者間のみ
- 売掛先への通知:不要(売掛先に知られることなく資金調達が可能)
- 法的性質:利用企業とファクタリング会社の間での債権譲渡契約
2者間ファクタリングでは、売掛先の承諾なしに債権を譲渡できるため、取引先との関係を維持しながら資金調達できます。OLTAやラボルなど、オンライン完結型のサービスの多くがこの方式を採用しています。
3者間ファクタリング
- 契約当事者:利用企業、ファクタリング会社、売掛先の3者間
- 売掛先への通知:必要(売掛先の承諾が必要な場合が多い)
- 法的性質:3者間での債権譲渡契約(売掛先も契約当事者として参加)
3者間ファクタリングは、売掛先も契約に関与するため、ファクタリング会社のリスクが低く、その分手数料も抑えられます。三菱UFJファクターなど、銀行系のファクタリング会社で多く採用されています。
特別編:FREENANCE(フリーナンス)の仕組み
GMOクリエイターズネットワークが運営するFREENANCE(フリーナンス)は、上記の2者間・3者間とは少し異なるユニークな仕組みを持っています。
フリーナンスでは、専用の「フリーナンス口座」を請求書の振込先として売掛先に指定します。売掛先はGMO系列の口座に振り込むだけなので、ファクタリングを利用していることは売掛先にはわかりません。入金されたお金はあなたのメインバンクに自動で送金されます(GMO銀行なら毎日、他行なら週1回)。
普段からフリーナンス口座を使って入金実績を蓄積しておくと、いざ資金が必要になったときに最短5分で即日振込(即日払い)が可能になるケースもあります。さらに、口座を使うだけでフリーランス・個人事業主向けの損害賠償補償が自動で付帯されるのも大きな特徴です。
法的な位置づけ(債権譲渡の違い)
どちらも民法に基づく債権譲渡という法的な仕組みを利用していますが、通知の有無によって法的な効果が異なります。ここでは、契約前に必ず確認すべき「償還請求権」と「債権譲渡登記」について詳しく解説します。
償還請求権(リコース)とは
償還請求権(リコース)とは、売掛先が支払い不能になった場合に、利用企業がファクタリング会社に対して買い戻し義務を負う権利のことです。
日本の法律(貸金業法)上、償還請求権のある契約は「貸付け」とみなされるリスクが非常に高いです。そのため、正規のファクタリング会社は、利用者保護の観点から償還請求権のない「ノンリコース契約」を原則としています。
| 契約タイプ | 売掛先が倒産した場合 | 法的リスク |
|---|---|---|
| ノンリコース(償還請求権なし) | 利用企業に返済義務なし | 低い(正規のファクタリング) |
| リコース(償還請求権あり) | 利用企業に返済義務あり | 高い(貸付けとみなされる可能性) |
重要:契約書にサインする前に、必ず「償還請求権の有無」を確認してください。もし償還請求権がある契約を提示された場合は、それが正規のファクタリングではなく実質的な貸付けである可能性を疑い、他社への相談も検討しましょう。
債権譲渡登記とは
債権譲渡登記とは、法務局に「この債権は確かに自社が買い取った」という事実を登録する制度です。
2者間ファクタリングでは、ファクタリング会社が第三者に対して債権の所有を主張するために、債権譲渡登記を行うことがあります。これは主に、利用者が同じ債権を別のファクタリング会社にも売却する「二重譲渡」を防ぐためのリスク対策です。
| 項目 | 2者間ファクタリング | 3者間ファクタリング |
|---|---|---|
| 登記の必要性 | 必要な場合が多い | 不要な場合が多い |
| 対抗要件 | 登記により第三者対抗要件を具備 | 売掛先への通知で対抗要件を具備 |
| 費用 | 数万円の登記費用がかかることも | 登記費用は発生しない |
注意点:債権譲渡登記には数万円程度の費用がかかり、手数料が高くなる要因の一つです。また、登記情報は公開されるため、完全な秘密保持にはならない点も理解しておきましょう。
ファクタリングの法的な側面についてより詳しく知りたい方は、ファクタリングは違法?合法性と悪質業者の見分け方を解説をご覧ください。
徹底比較:10項目で見る違い
1. 手数料の違い
手数料は、2者間と3者間で大きく異なります。
2者間ファクタリングの手数料
- 相場の目安:8〜18%程度(売掛金の額面に対して)
- 例:売掛金100万円の場合、手数料8〜18万円、受け取れる金額82〜92万円
3者間ファクタリングの手数料
- 相場の目安:2〜9%程度(売掛金の額面に対して)
- 例:売掛金100万円の場合、手数料2〜9万円、受け取れる金額91〜98万円
手数料が異なる理由
2者間ファクタリングは売掛先の確認ができないため、ファクタリング会社のリスクが高くなります。そのリスクプレミアムが手数料に上乗せされています。一方、3者間は売掛先の承諾があるため、回収リスクが低く、手数料も抑えられます。
手数料を抑えるコツについては、ファクタリング手数料を下げる7つの方法で詳しく解説しています。
2. 入金スピードの違い
資金調達のスピードも、2者間と3者間で異なります。
2者間ファクタリングの入金スピード
- 最短即日入金:審査が通れば、当日中に入金されるケースも
- 一般的なスピード:1〜3営業日程度
- オンライン完結:対面での手続きが不要な場合が多い
3者間ファクタリングの入金スピード
- 一般的なスピード:3〜7営業日程度
- 売掛先の確認が必要:売掛先への通知・承諾が必要なため、時間がかかる場合がある
- 初回利用時:初回利用時は、審査に時間がかかる場合がある
即日入金を希望する場合は、即日入金可能なファクタリング会社の選び方も参考にしてください。
3. 審査基準の違い
審査基準も、2者間と3者間で異なります。
2者間ファクタリングの審査基準
- 売掛先の信用力重視:売掛先の信用力が最も重要
- 自社の財務状況:自社の財務状況は重視されにくい傾向がある
- 審査の厳しさ:比較的緩い傾向がある(ただし、手数料が高い)
3者間ファクタリングの審査基準
- 売掛先の信用力重視:売掛先の信用力が最も重要
- 自社の信用力:自社の信用力も確認される場合がある
- 審査の厳しさ:やや厳しい傾向がある(ただし、手数料が低い)
注意点:審査基準はファクタリング会社によって異なるため、一般的な傾向として記載しています。実際の審査結果は、個別の案件によって異なります。
4. プライバシー保護の違い
プライバシー保護の観点からも、2者間と3者間で大きな違いがあります。
2者間ファクタリングのプライバシー保護
- 売掛先への通知が不要:取引先に知られることなく資金調達が可能
- プライバシーが高い:取引先との関係を維持しながら資金調達できる
- 資金繰りの問題を隠せる:資金繰りの問題を取引先に知られずに済む
3者間ファクタリングのプライバシー保護
- 売掛先への通知が必要:取引先にファクタリング利用を伝える必要がある
- プライバシーが低い:資金繰りの問題が取引先に知られる可能性がある
- 取引先との関係:取引先との関係に影響を与える可能性がある
5. 必要書類の違い
必要書類も、2者間と3者間で異なります。
2者間ファクタリングの必要書類
- 本人確認書類:代表者の運転免許証、パスポートなど
- 請求書・発注書:売掛金の根拠となる請求書や発注書
- 通帳コピー:入金用の口座の通帳コピー(取引実績の確認用)
- 登記簿謄本:法人の場合(発行から3ヶ月以内)
- 印鑑証明書:法人の場合(発行から3ヶ月以内)
3者間ファクタリングの必要書類
- 2者間と同じ書類:基本的に2者間と同じ書類が必要
- 売掛先の確認書類:売掛先の承諾書や確認書類が必要な場合がある
- 追加書類:売掛先との取引実績を示す書類が必要な場合がある
必要書類の詳細については、ファクタリングの必要書類一覧と準備のコツで解説しています。
6. 利用可能な金額の違い
利用可能な金額も、2者間と3者間で異なる場合があります。
2者間ファクタリングの利用可能金額
- 少額から対応:10万円程度から対応している会社が多い
- 上限:会社によって異なるが、数千万円まで対応している場合がある
- 審査基準:売掛先の信用力次第で、高額でも利用できる可能性がある
3者間ファクタリングの利用可能金額
- 少額から対応:10万円程度から対応している会社が多い
- 上限:会社によって異なるが、数億円まで対応している場合がある
- 審査基準:売掛先の信用力と自社の信用力の両方を確認される
注意点:利用可能な金額は、ファクタリング会社や個別の案件によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
7. リスクの違い
利用者側のリスクについても確認しておきましょう。
2者間ファクタリングのリスク
- 手数料が高い:手数料が高いため、コスト負担が大きい
- 悪質業者に注意:規制が緩いため、悪質な業者も存在する
- 契約内容の確認が重要:償還請求権の有無など、契約内容を必ず確認
3者間ファクタリングのリスク
- 売掛先への影響:売掛先に通知されるため、関係に影響する可能性
- 時間がかかる:入金まで時間がかかるため、急ぎの場合は不向き
- 売掛先の協力が必要:売掛先が協力的でない場合、利用できないことも
8. 継続利用のしやすさ
継続利用のしやすさも、2者間と3者間で異なります。
2者間ファクタリングの継続利用
- 手続きが簡単:2回目以降は、手続きが簡単になる場合が多い
- 審査が速い:2回目以降は、審査が速くなる場合が多い
- コストが高い:手数料が高いため、継続利用のコストがかさむ
3者間ファクタリングの継続利用
- 手続きが複雑:売掛先の確認が必要なため、手続きが複雑になる場合がある
- 審査に時間がかかる:売掛先の確認が必要なため、審査に時間がかかる場合がある
- コストが低い:手数料が低いため、継続利用のコストを抑えられる
9. 売掛先への影響
売掛先への影響も、2者間と3者間で異なります。
2者間ファクタリングの売掛先への影響
- 影響なし:売掛先に通知されないため、影響がない
- 関係を維持できる:取引先との関係を維持しながら資金調達できる
3者間ファクタリングの売掛先への影響
- 影響がある可能性:売掛先に通知されるため、影響がある可能性がある
- 理解が必要:取引先の理解が必要な場合がある
10. 会計処理の違い
会計処理についても、両者で基本的に同じですが、確認しておきましょう。
どちらの方式でも、ファクタリングは「債権の売却」として処理されます。売掛金が減少し、手数料は「売上債権売却損」として費用計上されます。融資のように負債が増えるわけではないため、バランスシートへの影響が異なります。
会計処理の詳細については、ファクタリングの会計処理と仕訳方法で解説しています。
2者間ファクタリングがおすすめのケース
1. 売掛先に知られたくない場合
取引先に資金繰りの問題を知られたくない場合、2者間ファクタリングが適しています。売掛先への通知が不要なため、取引先との関係を維持しながら資金調達できます。
2. 急ぎで資金が必要な場合
急ぎで資金が必要な場合、2者間ファクタリングが適しています。最短即日入金に対応している会社が多く、オンラインで手続きが完結するため、スピーディーに資金調達できます。
3. 取引先との関係を維持したい場合
取引先との関係を維持したい場合、2者間ファクタリングが適しています。売掛先に知られることなく資金調達が可能なため、信頼関係を損なうリスクがありません。
3者間ファクタリングがおすすめのケース
1. 手数料を抑えたい場合
手数料を抑えたい場合、3者間ファクタリングが適しています。一般的に2〜9%程度で、2者間と比べて手数料が大幅に低くなります。
2. 売掛先との関係が良好な場合
売掛先との関係が良好な場合、3者間ファクタリングが適しています。売掛先に通知しても関係に影響しない場合は、手数料の低い3者間を選ぶメリットが大きいです。
3. 長期的に継続利用したい場合
長期的に継続利用したい場合、3者間ファクタリングが適しています。手数料が低いため、継続利用のコストを抑えられます。
4. 大口の案件の場合
大口の案件の場合、3者間ファクタリングが適しています。大口の案件に対応している会社が多く、売掛先の確認があるため、リスクが低いです。
選び方の判断フローチャート
以下のフローチャートを参考に、自社に最適な方法を選びましょう。
判断基準のチェックリスト
以下のチェックリストを使って、自社に最適な方法を選びましょう。
2者間ファクタリングを選ぶべき場合
- 売掛先に知られたくない
- 急ぎで資金が必要
- プライバシーを重視する
- 取引先との関係を維持したい
- 手数料よりもスピードを重視する
3者間ファクタリングを選ぶべき場合
- 手数料を抑えたい
- 売掛先との関係が良好
- 長期的に継続利用したい
- 大口の案件
- コストを重視する
よくある質問(FAQ)
Q1. 2者間から3者間に変更できるか?
A. 一般的に、2者間から3者間に変更することは難しい場合が多いです。契約内容によって異なるため、ファクタリング会社に確認することをおすすめします。
Q2. 3者間から2者間に変更できるか?
A. 一般的に、3者間から2者間に変更することは難しい場合が多いです。契約内容によって異なるため、ファクタリング会社に確認することをおすすめします。
Q3. 併用は可能か?
A. 異なる売掛金に対して、2者間と3者間を併用することは可能な場合があります。ただし、同じ売掛金に対して2者間と3者間を併用することはできません。
Q4. どちらが審査に通りやすいか?
A. 審査基準はファクタリング会社や個別の案件によって異なるため、一概にどちらが通りやすいとは言えません。一般的には、2者間の方が審査が緩い傾向があるとされていますが、実際の審査結果は個別の案件によって異なります。
Q5. 手数料は交渉できるか?
A. 手数料は、ファクタリング会社や個別の案件によって異なるため、交渉できる場合とできない場合があります。大口の案件や継続利用の場合、手数料が低くなる傾向があるため、事前に確認することをおすすめします。
Q6. 償還請求権(リコース)がある契約は危険か?
A. 償還請求権のある契約は、法的に「貸付け」とみなされるリスクがあります。正規のファクタリングは原則としてノンリコース(償還請求権なし)です。契約前に必ず確認し、償還請求権がある場合は契約を慎重に検討してください。
まとめ:自社に最適な方法を選ぶ
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングは、それぞれ異なる特徴を持っています。
2者間ファクタリングは、プライバシー保護とスピードを重視する場合に向いています。一方、3者間ファクタリングは、手数料を抑えたい場合や長期的に継続利用したい場合に向いているでしょう。
どちらを選ぶべきかは、資金需要の緊急度、プライバシーへの配慮、コスト、売掛先との関係などを総合的に判断する必要があります。
ファクタリングを検討する際は、複数のファクタリング会社を比較し、自社の状況に合った方法を選びましょう。また、契約前には契約内容を十分に確認し、特に償還請求権の有無については必ず確認してください。
出典・参考文献
- 民法第467条(債権の譲渡の対抗要件)
- OLTA公式サイト
- ラボル公式サイト
- ビートレーディング公式サイト
- アクセルファクター公式サイト
- 三菱UFJファクター公式サイト
- FREENANCE(フリーナンス)公式サイト
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のファクタリング会社を推薦するものではありません。ご利用の際は必ず複数社を比較し、契約内容を十分にご確認ください。法的・税務的な判断が必要な場合は、弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。


