ファクタリングと銀行融資の違いは?徹底比較で最適な資金調達方法を選ぶ
資金調達方法として代表的なファクタリングと銀行融資。どちらを選べばいいのか迷うところです。この記事では、両者の違いを15項目以上にわたって比較し、それぞれの特徴とケース別のおすすめを解説します。ファクタリングの基本的な仕組みをまだ把握していない方は、先にそちらをご覧ください。
ファクタリングと銀行融資の基本的な違い
仕組みの違い
ファクタリングは、売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。法的には民法上の債権譲渡にあたります。一方、銀行融資は、銀行から借入する資金調達方法で、金銭消費貸借契約に基づきます。
| 項目 | ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 仕組み | 売掛金の売却 | 借入 |
| 法的性質 | 民法上の債権譲渡(売却) | 金銭消費貸借(借入) |
| 返済義務 | なし(売却なので) | あり(借入なので) |
| 担保・保証人 | 基本的に不要 | 必要な場合が多い |
| 負債 | 負債にならない | 負債になる |
たとえば、建設業のA社が元請けへの売掛金300万円を持っている場合、ファクタリングならこの売掛金を売却して即日で現金化できます。銀行融資なら、A社の財務状況や事業計画を審査したうえで、数週間後に融資が実行されます。
返済義務の違い
- ファクタリング:売掛金を売却した時点で完了。利用企業の返済義務はありません。売掛先がファクタリング会社に直接支払う形になります(3者間の場合)。
- 銀行融資:借入なので、必ず返済義務があります。元本と利息を期日までに返済する必要があります。
審査基準の違い
ファクタリングの審査基準
ファクタリングは、売掛先の信用力を重視します。
売掛先が信用力の高い企業(上場企業、官公庁など)であれば、利用企業が赤字や債務超過でも利用できるケースがあります。たとえば、株式会社ビートレーディングでは、売掛先の信用力を中心に審査を行っています。
審査で確認される主な項目
- 売掛先の信用力(信用情報、財務状況、業績)
- 売掛金の内容(請求書の実在性、取引の継続性)
- 利用企業の基本的な情報(登記情報、代表者情報)
銀行融資の審査基準
銀行融資は、利用企業自身の信用力を重視します。
財務状況、業績、返済能力が厳しく審査されます。赤字企業や債務超過企業は審査に通りにくい傾向があります。中小企業庁の調査によると、中小企業の資金調達において銀行融資のハードルが高いことが課題として指摘されています(出典: 中小企業庁「中小企業の資金調達に関する調査」)。
審査で確認される主な項目
- 財務状況(貸借対照表、損益計算書、3期分が一般的)
- 業績(売上高、利益率、成長率)
- 返済能力(キャッシュフロー、営業利益)
- 信用情報(過去の借入履歴、返済状況)
- 担保・保証人(不動産担保、個人保証)
資金調達スピードの違い
ファクタリングの資金調達スピード
ファクタリングは、スピードが大きな特徴です。
会社によっては即日入金も可能です。OLTA株式会社のようなクラウド型ファクタリングでは、オンラインで申し込みから入金まで完結し、最短で即日入金に対応しています。一般的には審査から入金まで2〜5営業日程度です(当サイト調べ)。
入金までの流れ(2者間ファクタリングの場合)
- 申し込み(オンライン):数分〜数十分
- 審査:数時間〜1日
- 契約締結:オンラインで完結
- 入金:即日〜翌日
銀行融資の資金調達スピード
銀行融資は、じっくり審査するのが特徴です。
通常2週間〜1ヶ月以上かかります。日本政策金融公庫の場合、申し込みから融資実行まで1〜2ヶ月程度が一般的です。
入金までの流れ
- 申し込み:銀行への訪問が必要な場合が多い
- 書類提出:決算書3期分、事業計画書、資金繰り表など
- 審査:1〜2週間程度
- 面談:複数回の面談が必要な場合あり
- 契約締結:銀行への訪問が必要
- 入金:契約後、数日〜1週間程度
コストの違い
ファクタリングのコスト
ファクタリングは、手数料がかかります。
- 2者間ファクタリング:一般的に10〜30%程度(当サイト調べ。ビートレーディング、OLTA、アクセルファクター 等の公式サイト情報を基に作成)
- 例:売掛金100万円の場合、手数料10〜30万円
- 3者間ファクタリング:一般的に1〜10%程度(当サイト調べ。各社公式サイト情報を基に作成)
- 例:売掛金100万円の場合、手数料1〜10万円
手数料は一回限りで追加費用は基本的にありません。ただし、早期現金化の対価としてリスクプレミアムが含まれるため、銀行融資と比べるとコストは高めです。詳しくはファクタリング手数料の相場をご覧ください。
手数料の計算例
- 売掛金100万円、手数料15%(2者間)の場合
- 手数料:15万円
- 受け取れる金額:85万円
銀行融資のコスト
銀行融資は、金利がかかります。
- 金利:年1〜5%程度が目安(プロパー融資の場合。日本政策金融公庫は年0.5〜3%程度)
- 保証料や事務手数料がかかる場合もあります
金利の計算例
- 借入金額100万円、金利年3%、期間1年の場合
- 利息:約3万円
- 返済総額:約103万円
コスト比較の具体例
同じ100万円を調達する場合のコスト比較:
| 調達方法 | コスト | 備考 |
|---|---|---|
| 2者間ファクタリング | 10〜30万円 | 一回限り。即日〜数日で調達可能 |
| 3者間ファクタリング | 1〜10万円 | 一回限り。売掛先への通知が必要 |
| 銀行融資(年3%、1年) | 約3万円 | 期間が長いほど増加。審査に数週間 |
コストだけ見ると銀行融資が有利ですが、調達スピードや審査の通りやすさも考慮する必要があります。
信用情報への影響の違い
ファクタリングの信用情報への影響
ファクタリングは、一般的に信用情報機関に登録されないとされています。
- 信用情報に記録されにくい:利用履歴が信用情報機関(CIC、JICCなど)に残りにくいとされています
- 将来の融資に影響しにくい:銀行融資の審査に悪影響を与えにくいと考えられます
- バランスシートへの影響が少ない:負債として計上されないため、財務指標への影響が限定的です
銀行融資の信用情報への影響
銀行融資は、信用情報機関に登録されます。
- 信用情報に記録される:借入履歴がCICやJICCに記録されます
- 将来の融資に影響する:過去の借入履歴や返済状況は、今後の融資審査に影響します
- 返済遅延は信用悪化につながる:返済が遅れると、いわゆる「ブラックリスト」に載る可能性があります
担保・保証人の違い
ファクタリングの担保・保証人
ファクタリングは、担保・保証人が不要な場合が多いです。
なぜ担保が不要なのか
ファクタリングは売掛金という債権を売買する取引です。融資のように「お金を貸す→返済されないリスクに備えて担保を取る」という仕組みではなく、*「債権を買い取る→その債権から回収する」*という仕組みのため、そもそも担保という概念が当てはまりません。
ファクタリング会社が審査で重視するのは、売掛先の信用力です。売掛先がきちんと支払える企業かどうかが最も重要で、利用企業の不動産の有無は問われません。
なぜ保証人が不要なのか
ファクタリング会社は売掛先から直接回収する(3者間の場合)ため、利用企業の保証人を立てる必要がありません。
ただし、以下のケースでは保証人を求められることがあります。
- 創業直後で取引実績が極めて少ない場合
- 売掛金の証明書類(請求書、契約書など)が不十分な場合
- 2者間ファクタリングで利用企業の信用力に不安がある場合
手続きの簡便さ
- 不動産担保が不要:不動産を持っていなくても利用できます
- 担保設定の手続きが不要:登記手続きや抵当権設定などが不要です
- 保証人探しが不要:親族や知人に保証人を頼む必要がありません
銀行融資の担保・保証人
銀行融資は、担保・保証人が必要な場合が多いです。
- 不動産担保:特に大口の融資では、不動産担保が求められることが多い
- 個人保証:代表者の個人保証を求められることが一般的
- 信用保証協会の保証:保証協会付き融資の場合、保証料(年0.5〜2%程度)が別途かかる
たとえば、500万円の融資を受ける場合、代表者の個人保証に加えて、自宅を担保に入れるよう求められるケースがあります。
負債への影響の違い
ファクタリングの負債への影響
ファクタリングは、負債にならないのが特徴です。
- 貸借対照表の負債が増えない:売却なので、負債として計上されません
- 財務指標の悪化を防げる:負債比率が上がらず、銀行からの評価に影響しにくい
- 返済計画が不要:売却完了で取引が完結するため、毎月の返済負担がありません
たとえば、銀行融資を受ける前にファクタリングで資金調達すれば、貸借対照表の負債を増やさずに済みます。これは次回の融資審査でプラスに働く可能性があります。
銀行融資の負債への影響
銀行融資は、負債になるのが特徴です。
- 貸借対照表の負債が増える:借入なので、負債として計上されます
- 財務指標に影響:負債比率が上がり、追加融資の審査に影響する場合があります
- 返済計画が必要:毎月の返済額を計算し、キャッシュフローに組み込む必要があります
利用条件の違い
ファクタリングの利用条件
- 売掛金が必要:売掛金がなければファクタリングは利用できません。現金商売の業種(飲食店、小売店など)には不向きです
- 売掛先の信用力が重要:売掛先が個人や信用力の低い企業の場合、審査に通りにくい傾向があります
- 売掛金の最低額:会社によって最低買取額が設定されています。少額対応の会社もあります
銀行融資の利用条件
- 信用力が必要:一定以上の信用力(業歴、財務状況)が必要です
- 財務状況が良好であること:赤字企業や債務超過企業は審査に通りにくい傾向があります
- 担保・保証人の用意:必要な場合が多く、特に創業間もない企業はハードルが高い
ケース別おすすめ
ファクタリングがおすすめのケース
1. 急ぎで資金が必要な場合
たとえば、IT企業のB社は大型案件を受注したが、外注費200万円の先行投資が必要。クライアントへの請求書400万円の入金は2ヶ月先。銀行融資では間に合わないため、請求書をファクタリングで即日現金化する。
2. 銀行審査に通りにくい状況の場合
たとえば、創業2年目の運送業C社は、前期が赤字決算だったため銀行融資の審査に落ちた。しかし、売掛先が大手物流会社(上場企業)のため、ファクタリングの審査には通る可能性がある。株式会社アクセルファクターのように、柔軟な審査を行っている会社もあります。
3. 負債を増やしたくない場合
たとえば、来月に銀行融資の審査を控えているD社は、今月の資金繰りを改善したいが負債を増やしたくない。ファクタリングなら負債にならないため、融資審査への影響を抑えられます。
銀行融資がおすすめのケース
1. 時間に余裕がある場合
3ヶ月先の設備投資に向けて、計画的に資金調達を進めたい場合。十分な準備期間があれば、低金利の銀行融資が有利です。
2. 長期的な資金需要がある場合
設備投資(1,000万円の機械を購入し、7年で返済)や店舗の内装工事(500万円、5年返済)など、長期的な返済計画が可能な資金需要に向いています。
3. コストを抑えたい場合
年利3%で100万円を1年間借りた場合の利息は約3万円。同じ100万円をファクタリング(手数料15%)で調達すると15万円のコスト。コストだけで比較すると、銀行融資の方が大幅に安くなります。
併用する場合の注意点
ファクタリングと銀行融資を併用している企業も少なくありません。たとえば、長期的な設備投資は銀行融資で、月末の一時的な資金不足はファクタリングで対応するといった使い分けです。詳しくは資金繰り改善の方法も参考にしてください。
併用のメリット
- 柔軟な資金調達:状況に応じて最適な方法を選べます
- リスク分散:一つの方法に依存しないことで、資金調達の選択肢を確保できます
併用の注意点
- コスト管理:ファクタリングの手数料と銀行融資の返済を合わせて管理する必要があります
- 資金繰り計画:月次のキャッシュフロー表で、両方のコストを可視化しておくことが重要です
まとめ
ファクタリングと銀行融資は、それぞれ得意な場面が異なります。
| 判断基準 | ファクタリング向き | 銀行融資向き |
|---|---|---|
| 緊急性 | 急ぎ(即日〜数日) | 余裕あり(数週間〜1ヶ月) |
| 財務状況 | 赤字・債務超過でも可能性あり | 良好な財務状況が前提 |
| コスト | 手数料10〜30%(2者間) | 年利1〜5%程度 |
| 負債 | 増えない | 増える |
| 資金用途 | 短期の資金繰り改善 | 長期の設備投資・事業拡大 |
どちらを選ぶかは、「いつまでに必要か」「自社の財務状況」「コストの許容範囲」を総合的に判断してください。両方をうまく使い分けている企業も多く、ファクタリング・ビジネスローン・カードローンの3者比較も参考にしてみてください。
出典・参考文献
免責事項
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のファクタリング会社を推薦するものではありません。ご利用の際は必ず複数社を比較し、契約内容を十分にご確認ください。

